2004年 06月 27日
最近江戸時代の本を何冊か読みました。 学校で習った歴史では「江戸時代は飢饉や一揆の相次いだ貧しい時代。」という言うイメージがあります。「日本は貧しいから物質文明が発達せずに茶道や華道などの精神的文化が発達したんだ。」といっていた歴史の先生もいました。 ところが実際自分で調べて見るとまるで違っています。江戸時代はじつに豊かな時代だった。特に日本の庶民は当時世界一豊で文化的だったといっても良いかもしれません。 しかし一般の江戸時代に対する認識はどうでしょうか?時代劇では綺麗な着物や整った町並みを見るけれど、あれはしょせん作り物で、学校で習ったようにほんとの江戸時代の庶民は貧しいかったはずだというイメージがあるのではないでしょうか。 ではなぜ貧しい江戸時代という間違ったイメージが現代の日本人の中に広まっていったのでしょう? これにはまず戦争があるように思います。 戦争で豊かな江戸時代の庶民の生活の面影を伝える歴史的建造物や町屋がほとんど無くなってしまった。 そして実際の江戸時代からの日本人の暮らしを子供に伝承するはずの親の世代が丸々戦争でごっそり抜け落ちて、記憶が断絶してしまった。 そして戦後の復興。 戦争で人も建物も無くなったかつての江戸、東京に貧しい体験を抱いた東北からの出稼ぎや学生の集団就職でやって来た人がそのまま新都民となって、その人たちの貧しかった体験が子や孫の世代にそのまま古い時代の東京の記憶として語り継がれた。 右肩上がりの景気。 右肩上がりの発展を実体験した日本人は庶民生活は時代とともに右肩上がりにどんどん豊かになってきたはずだという信念ができ上がってしまった。 これらの理由が組み合わさって戦後にあれだけ貧しかったのだから100年前の江戸時代はもっと貧しくて苦しい暮らしだったはずだと言う思い込みができた。こんなところでしょうか。
by keigo245
| 2004-06-27 04:05
| 歴史
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